暮らすがえジャーナル

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ロールプレイングゲームで「会社が大切にしている価値観」を再確認?平安伸銅工業の全社総会

こんにちは暮らすがえジャーナルです。

「暮らすがえ」とは、ライフステージや家族の成長、季節や気持ちの変化に合わせて、暮らしに自ら手を加え、ありたい「私らしい暮らし」を実現していくことをいいます。
今回は、平安伸銅工業のカルチャーについてお話します。

私たちが年に2回開催している、全社総会。経営のメッセージや各部門の戦略を共有する場なのですが、実はちょっと変わった形式で運営しているんです。

みんなでヘイアンの未来を語り、体験する場

私たちの全社総会(キックオフ)は、現在、上期(6月21日~)と下期(12月21日~)が始まる前の年2回、6月と12月に開催されています。

コロナ禍はオンライン開催でしたが、昨年の6月から対面での開催が復活しました。

オンラインでのキックオフの様子

半日、あるいは丸一日、業務を休業して、大阪、東京、岐阜、各地のメンバーが一堂に集まります。

キックオフの目的は大きく2つ
- 経営方針や部署の戦略をみんなで確認する
- 平安伸銅工業のミッション・ビジョン・バリューを改めて体感する

昨年12月に開催した下期キックオフは、大阪市内のレストランで開催しました。

最初に、売上実績の報告と経営者がメッセージを伝えた後、メンバーそれぞれが自分たちのチームの振り返りや今後の施策を共有します。
「こんなことに悩んでいて…」「ここはどうやって実行しているの?」
グループで話し合う中で、普段の業務で直接交流がない部署の戦略や意図を聞き、全社の方向性の解像度が上げていきます。

バリューの必要性を再認識してほしい。手段はロールプレイングゲーム?

後半戦はミッション・ビジョン・バリューを体感するワークです。

私たちの重要な要素であるミッション・ビジョン・バリュー。大切な要素だからこそ、改めてみんなで意識するために、全員が集まる場で毎回ワークショップを開催しています。

今回の目的は、平安伸銅工業で働く上で大切にしている共通の価値観「バリュー」の必要性を体験すること。
何も知らされていないメンバーがグループに分かれて着席すると、そこに置かれていたのはロールプレイングゲームの地図…?

「これから皆さんでチームを組んで、勇者パーティとなり、目的地を目指してもらいます。途中で起こったハプニングは皆で相談して解決策を探ってください。ただし、それぞれに配布された役割に書いてある行動をとってください。」

司会者からの案内で、メンバーたちはそれぞれの役割カードは他のメンバーには見せないようにして確認します。

配布された役割カード「出てくる意見に対して『みんなの決定に任せる』という役割を演じてください」などの指示が書かれている

ゲームが始まるといきなりハプニングが画面に映し出されます。橋が壊れた!早速チームで話し合いますが、なかなか上手くまとまりません。

「みんなの判断に任せるよ。」
「そんな手段は無理に決まってるじゃん!」
「じゃあどんな手段にすればいいか意見を出してよ!」

なんだかもやもやしたまま、制限時間が来てしまいます。

「では、次にもう1枚カードを配ります。次のハプニングは、チーム全員でこの行動指針に従って解決策を探ってください。」

テーブルに出されたのは1枚のカード

「迷うことが前提で、ぶつかり合って新しいアイデアを生み出す。×みんな同じ、みんなに配慮しすぎる、多数決で決める」

すると、次のハプニングでは、どのテーブルでも議論が白熱していきます。

「こうしたらいんじゃない?」
「それなら、この道具を使った方がもっと良くなるかもしれない。」
「いや、それもいいけれど、もしかしたらこういう可能性もあるかもしれないね。」

様々なアイデアが出てきますが、衝突することなく、みんなハプニングを乗り越えるために前向きに議論が進みます。

時間が終わると司会者から問いかけが。

「最初のハプニングと次のハプニングで、チームの行動はどう変わりましたか?」

チームで振り返るとさまざまな意見が出てきます。

- 最初の議論は役割だとわかっていても全員で協力できなくて相手に対してイラっとした
- 1回目の議論は全然まとまらなかったけれど、2回目はスムーズに議論ができたね
- 2回目の議論もいろんなアイデアが出たけど、揉めることなく、コトに向かって議論ができた
- 2回目の方がみんながチームだという感じがした

ここで司会者からタネ明かしが。

「実は、最初に各々に配られた役割のカードにはそれぞれバラバラの価値観が書かれていました。
そして、2回目に配ったカードが共通の価値観、つまりバリューなんです。
価値観を共有することで、人ではなくコトにむかって議論ができるようになるんです。だから、私たちは”ヘイアンバリュー”を設定しているんです」

ワーク後のメンバーアンケートからは「バリューの役割が理解できた」「これから仕事でも使っていきたい」という声が。

一風変わったワークショップですが、バリュー(会社が大切にしたい共通の価値観)の重要性を改めて認識することで、これからのチームビルディングが変わってきそうです。

バリューが絵に描いた餅になってはいけない。発案者の思い

「私たちは2018年に”ヘイアンバリュー”を策定しました。メンバーが一つのゴールに向かって進んでいく上で、共通としたい大切な価値観です。ただ、コロナ禍でリアルな交流が減ったこと コロナの3年間で新しいメンバーが増えていく中で、せっかく掲げたバリューが忘れ去られ、うまく機能していないんじゃないかという危機感があったんです」

そう語るのは、このワークショップを開発した、社内カルチャーをマネジメントするチームのメンバー。

バリューを社内で機能させていくにあたり、「そもそもなぜバリューが必要なのか」を知ってもらうことが大切では?と考えたのだそう。

「必要性が分からないと、使いたい、体現したいという気持ちにはならないじゃないですか。どうして私たちは共通の価値観を大切にしたいのか、言葉で説明するよりも、実際に体験してもらった方が理解しやすいのではと思い、今回のワークを設定しました。」

「平安伸銅工業は特に、バリューが重要なんです」とメンバーは続ける。

「この会社には、多種多様なメンバーが集まっています。経歴も、考え方もそれぞれです。そんなメンバーで一つの目標に向かって進んでいくためには、やっぱり働く上での共通の価値観は大事だと思うんです。その人自身の価値観を否定したり、考えを押し付けるのではなく、コトに向かって議論ができるし、会社の価値観が分かることで、何かを進めるとき、都度上司の判断を仰がなくてもよくなる。メンバーの自立にもつながるんです。」

ヘイアンバリューをどう理解し、浸透させていくかが次の課題だという。「でも、なんで今回ロールプレイングゲームのワークショップにしたの?」と尋ねると意外な答えが返ってきました。

「深い意図はありません、僕自身がゲームが好きで、ゲームならみんなも楽しんでくれるかなと思ったからです。自分の得意分野に落とした結果こんなワークになりました。」
と担当者は笑う。これも個性を活かしながら、ヘイアンバリューの「自由闊達でいこう」や「喜ばすことを喜びとしよう」を体現した姿なのかもしれません。