暮らすがえジャーナル
こんにちは、暮らすがえジャーナルです。
今回は、経営企画グループの井戸のインタビューをお届けします。
昨年、グループ長に就任し、財務会計の枠を超えた新たな挑戦を続ける井戸。
その思いを語ってもらいました。
井戸 秀弥
新卒で電子部品の大手メーカーに経理として入社。
業績管理や内部統制、業務フローの構築など多岐にわたる業務に従事する。
その後、中国の現地CFOとして経営管理、総務人事、貿易、生産管理、情報システムなど50人の社員をマネジメント。
非上場企業で業績管理や社内改善活動を約8年経験、プライム上場企業にて連結業績管理、適時開示業務に従事したのち、現職。
――平安伸銅工業では財務会計の業務の枠を超えて、経営判断にも注力していますね。働くうえで心がけていることは何ですか?
常に根幹にあるのは「会社の現在地、向かう先を明確に!数値で語ろう」です。
自分の立ち位置を理解してはじめて、会社の指針を考えられるようになると思っています。
例えば、財布に1万円しかないのに、100万円の物を買おうと考えるのは無理がありますよね。
財布の中がどうなっているか、現在地をちゃんと伝えて、じゃあ何ができるのかということを考えるきっかけを渡すこと。
その上で、一人一人が明確な目的をもっている状態を作ることが重要だと思っています。
――会社の経営状態を数値として見える化することは、どんなことに繋がるのでしょうか
数値として見えるようにすることで、自分がどこにいるのか明確になる。
すると、みんな自分自身が担う役割を認識して、能動的に動くようになるんです。
会社組織にいると、「これだけ忙しいんだから、よっぽど会社は儲かっているんだろうなあ」と錯覚しまうことがあります。
別の会社で、ある事業所に駐在していた時のことです
そこでは、数千人の従業員が働いていました。
従業員の皆さんは、日々多忙を極めて働いているから当然収益が上がっていると信じていました。
でも、蓋を開けてみると運営は赤字。
そんな状況を報告すると、危機感を覚えた従業員の皆さんが今まで以上に能動的に動くようになりました。
結果、設立からずっと赤字だった業績が黒字に転換したんです。
自分たちの現在地が明らかになると、こんなに従業員の動きが変わるんだ、と驚かされましたね。
例えば「うちの会社はこんな方針だから、好きにやっていいよ」と突きつけられても、何をどこまで進めるべきなのか、線引きが曖昧で戸惑いますよね。
今の自分たちのステージを知ることでやるべきことが明確になり、次のステップに進めます。
そうした環境を数値で見えるようにすること、誰でも理解できる言葉を交えて伝え、整備することが、私の使命だと考えています。
財務会計という会社の核となる視点を活用して、経営のジャッジもしていける人になりたいです。
――井戸さんが今挑戦されていることについて詳しく教えてください。
現在は大きく、2本の柱をめざして業務に励んでいます。
1つ目は「社員の数字に対するリテラシーを向上させて、得意分野の仕事に注力できる状態」。
2つ目は「CFOとして、平安伸銅工業の将来ビジョンを数値化して具体化していくための探索」です。
1つ目は会社全体の話です。
自分の仕事だけに集中するとどうしても「縦割り社会」の組織になりやすいので、そこは変えていきたいですね。
そのためには、共通言語とするために、社員全員が一定数字に対するリテラシーを持たないといけないと思っています。
ベースの知識がありながら、専門的な知識を持ち合わせた社員のいる状態こそ理想的な姿です。
また、自分の遂行している業務がどの数字につながるのか、1人ひとりが意識的に考えられるような仕組みをつくることも必要だと思っています。
できるだけ無駄な業務を排除して、自分の頭で考える仕事に転換してもらいたいです。
「作業をやめて、仕事をしよう!!」をモットーにそのための土台をつくっていきたいですね。
――“土台”とは、例えばどんなことでしょう?
今まさに進めようと考えている、販売管理システムの入れ替えや、毎月の報告ですね。
販売管理システムを入れることによって、業務の自動化を進め、メンバーの考える時間を増やしたいなと。
また、月次の報告をさまざまな角度から行い、誰でも視聴できるようにすることで情報を得られる環境を整えようとしています。
自分の業務が会社組織とどのようにつながっているのか。数字で可視化していけると良いですよね。
会社の決算書や財務諸表をパッと見るだけでは「つまり、儲かっているの?」とわからない人もいます。
会社の現状を知るための大事な資料なので、社員全員が理解でき、意識しながら働ける文化を浸透させたいです。
ただ、専門用語を覚える必要はまったくなくて。
平易な文章でわかればいいんです。基本的な概念に対して同じ意識を持っておけば、どんな部署の人とも対等にコミュニケーションを図れるようになります。
――2つ目は「CFOとして、平安伸銅工業の将来ビジョンを数値化して具体化していくための探索」ですね。
将来ビジョンとして平安伸銅工業には3年で50億円、10年で100億円の売り上げを目指すという大きな数字目標はあります。
ただ、目標達成の前段階となる具体的な道筋をつくっておかないと、絶対に実現しません。
今はその具体的なプロセスを絶えず探索することに注力しています。
10年で100億円の売り上げ目標を立てたとして、できることは何か。
自社で努力してなんとかする!というのもよいですが、例えばM&Aや業務提携のような方法もありますよね。
5億円の会社を買収してシナジー効果で10億円になるのであれば、プラス10億円の利益になります。
――たしかに、プロダクトを自社で作る以外にも、さまざまな方法がありますね。
答えのない難しさはありますが、自分の視座が高まっていることを自分自身で感じられる今は、とても嬉しいなと思っています。
楽しみながら平安伸銅工業の将来ビジョンを考え、実現をめざしたいですね。