暮らすがえジャーナル

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つっぱりボーイフレンド特別編:「私の思いはまっすぐに・・・。」

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期末考査前の放課後は、いつもより静かだ。

部活動は無いからグラウンドに人はいないし、皆テスト勉強のために足早に帰っていく。



私は・・・というと、誰も居ない教室で一人、悩んでいた。

この想いが向く先は、どこなのか。


私が、本当に、寄り添ってほしいと思うのは・・・。



ガラッ!!


不意に、教室のドアが開かれる。

「おい、お前、まさかまた寝てたのか!?」

入って来たのは、担任の先生。


「ち、違います!いつでも寝てるわけじゃないですから。」

「どうだか。お前、今日の俺の授業でも舟漕いでただろ。」

「そ、それは・・・。」


「夜更かしは感心しないぞー。」と先生は冗談っぽく言いながら教卓の中の書類を取り出している。


「あの・・・先生。」

「ん?どうした?」

「先生は、自分の本当の気持ちが分からなくなった時、どうしますか?」



不意に、先生の作業がぴたりと止まる。

「急にどうした?・・・もしかして、恋の相談か?」

「ち、ちがいます!恋の相談なんて言ってないじゃないですか!」

「どうだか。顔、真っ赤だぞ。」

「へっ!?」


慌てて自分のほっぺたを触る。確かに少し熱いかもしれない。

あわあわしている私の様子を見て先生は少し笑う。


「お前、ほんと分かりやすいな。」

「うぅ・・・じゃあ、先生、私の悩みに答えてくださいよ。」

「え!?いや、俺はそういうの、得意じゃないんだけどなあ・・・。」


「でも、そうだな・・・。」少し気まずそうに言葉を続ける。



「散々悩み抜いて出した答えは、絶対に後悔しないから。最後は自分の思うままに進むことだな。」


「先生・・・。」

「ほら、先生のアドバイスはこれが限界だ。」


「ありがとうございます・・・!すみません、突然変なこと言っちゃって。」

「ま、生徒を支えるのが俺の仕事だからな!」






「さすが・・・KSP(ケーエスピー)先生です!」※


「褒めてもなんもでねぇぞ。」と言いながら先生はU字のパーツをくるくると回す。

※KSPはバネの力でつっぱり棒が落ちないように支える補助製品です。

「俺は先に職員室に戻るぞ。お前も、テスト期間中なんだから早く帰れよ。」


そう言って先生は教室の入り口に向かう。扉を開けようとして、ふと、思い出したように続けた。



「あ、そうだ。最後の答えはお前が決めたらいいけど、他の人に聞いてみてもいいんじゃないか?」

「他の人・・・?」



「ああ、案外力になってくれるかもな?」



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※1位に輝いたつっぱり棒のエピローグが後日公開予定。
※詳しくはXまたはインスタグラムをご確認ください。